がんであると診断された方々に対して用いられている
治療法の中に、薬理学的療法と呼ばれるものがあります。
具体的には、オゾンやビタミンなどの成分を点滴という
形で血液中に取り入れ、体質の改善を図るというものです。
これら薬理学的療法の中には、高濃度ビタミンC
点滴療法も含まれています。
この高濃度ビタミンC点滴療法では、25グラムから
100グラムほどの量のビタミンC製剤が投与されます。
それによって免疫力をアップさせようという療法となっています。
今や、高濃度ビタミンC点滴療法は、抗がん剤治療による副作用を和らげたり、
免疫機能を強化したり、さらには食欲を改善したり体力の回復を早める上で効果を
発揮するといった理由から、広く用いられるようになってきました。
しかし、気になるのは、転移したがんにも果たして効果を発揮するのか
どうかという点でしょう。
実は、標準治療では効果を上げるのが難しいとされている転移性のものについても、
一定の効果が得られると報告されています。
実際に、転移が見られた患者に高濃度ビタミンC点滴を施した結果、痛みが軽減されたり、
体力が回復したといった報告があるのです。
このように、高濃度ビタミンC点滴療法の際には、患者の体調や病状を観察しながら、
投与するビタミンC製剤の量が調整されます。
一般には、週二回の割合で半年くらいの間、高濃度ビタミンC点滴をし、
経過が良好であるなら徐々に減らしていくことになるでしょう。
正常細胞とどう違う?未分化の細胞であるがん
腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性は切除すれば再増殖せず、浸潤もありませんので特に問題はありませんが、
しかし悪性の場合は、切除しても再増殖する可能性や浸潤の可能性があります。
そして、悪性腫瘍をそのまま何もせず放置していると、一部のがん細胞は遊離して血管やリンパに入り込んでしまう恐れがあり、
そうすると、その流れにのって体のいたるどころにがんの細胞が運ばれ、新たな部位で転移がんとなってしまう可能性があるわけです。
がん細胞は多くの点で正常のものとは異なります。
その一つが正常なものと比較して未分化であることです。未分化とはその細胞の役割がまだ決まっていない状態にあることを示しています。
通常、正常細胞はというのは成熟するとともに、それぞれの組織に応じた特定の働きをするようになっていきます。
そしてこの特定の働きを持つ細胞タイプに分けられていくことを「分化」と言います。
しかし、がん細胞は成熟も分化もしないのです。
そして、まだ何の役割も決まっていないがんは分裂を繰り返し増殖していくことになります。
さらにがんは、正常細胞とは異なり、細胞分裂停止を伝えるシグナルを無視します。
だからどんどん増えていき、悪化してしまうのです。